monthly oystergate 2007-05 


 

*English summary is not available this month.

 

長い目でモノを見る



中国を巡るニュース

このところ、ディズニーなどのキャラクターが北京の某遊園地で無断借用されている件について、あちこちで頻繁に報道されている。

アメリカ側がこの無断借用について正式にコメントした段階で、同園やその公式ウェブサイトから、ディズニーまがいのキャラクターは速攻で排除されたらしい。
しかし、日本は政府レベルで抗議していないからか、ドラえもんやハローキティ風の着ぐるみ(を着た人々)は未だ園内を闊歩し、おみやげ用ニセキャラクターグッズも販売され続けているようである。

今回の最も大きな問題は、この遊園地が国営だという点だろう。
ニセブランド品を山のように集めて燃やしたり、コピーCDやDVDをローラー車で轢き潰したりして、「著作権を守る中国」を派手にアピールしていたのに、その一方でこんなに堂々と著作権侵害をしているのだから驚く。

さらに、アメリカへ輸出したメラミン入りペットフードにより多数のペットが死亡した事件や、パナマでの中国産ニセグリセリン入り咳止めシロップにより死者が多数出た事件、中国国内での工業用着色料の食品への有害な使用など、中国の常識はどうなっているのだ?と思わせる出来事が次々と起こっている。



経済格差によるあせり?

これらの基本的な原因として、国内の極端な経済格差があるのではないかと思う。
今や「万元戸」という言葉も古くなり、日本円で数千万の年収のある人々が数多くいる。
一方で、義務教育も終えられずに、家計を支えるために働きに出る子供もまだ多い。
少しでもいい暮らしをしたい、そのためには手段を選ばない、というあせりがこういった常識外れな結果を生んでいるのではないだろうか。

中国は今後、全世界が注目する北京オリンピックを控えている。
対外的なイメージをアップさせたいがために、後先考えずに何か無理なことをやらかしはしないかと、少し心配である。

このような本土の人々のあせりや勢いを見ていると、香港の路上で「ニセモノトケイアルヨ」などと言っている人々が呑気にさえ見えてくる。



日本でも高度経済成長の時期はあった

日本でもまさに「ばれなきゃいい」「ちょっとでも得したい」という心理から、耐震強度偽装建築のような重大な問題が起きた。
しかもこれらは「義務教育も終えられずに・・・」といった差し迫った状況からではなく、ある程度生活の安定した人々が単純に欲に駆られて犯した罪である。
考えようによっては、こちらの方が「人は利己的に際限なく豊かになろうとする」という意味で、より罪深いと言えるのかもしれない。

日本は東京オリンピックの時、どうだったんだろうと考える。
あれから40年以上たち、当時は高度経済成長の象徴だった高架の高速道路を、日本橋エリアに限って地下に移そうという計画がある。
高速道路によって日本を代表する有名な橋から空が見えないというのはけしからん、高速道路は付近の景観を害している、という理由らしい。

正直なところ、私はこの件については、何も言うことがない。
もしここで高架を外したとして、さらに40年後の人々が「あの時、高架を外してくれてよかった」と言うかどうか、全くわからないからだ。
私にわかるのは、莫大な税金が高架を外す工事に使われるということと、
その税金は未来ではなく、現在の東京都民のお財布から払われる、ということだけである。


事業や事件はその規模が大きいほど、結果が出る頃には当事者がもういない場合が多い。
長い目でものを見るのはつくづく難しいものだと思う。

 

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Yokohama City, 2007




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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