monthly oystergate 2007-02 


 

*Summary in English

 

「亥」ではなく「豚」の年


「黄金の」豚年

日本では今年の干支は亥だが、中華圏や韓国ではイノシシではなく豚である。
豚年に生まれた子供には繁栄が約束されていると言われている。
しかも今回は豚年の中でも、十干十二支の陰陽五行では六百年に一度しか来ない「黄金の豚年」なのだそうだ。
俗説とはいえ、縁起をかつぐ人が多く、今年の干支を豚とする国では出産ラッシュが予想されているという。


香港で出産する本土の女性たちが急増

ここ数年、中国本土からやってきた妊婦が香港で出産するケースが激増している。
本土に比べると、医療設備が充実しているし、何より香港で出産すると、生まれた子には香港の居住権が与えられるからだ。

しかし、あまりにも多くの妊婦が本土からやってきて出産するようになったため、ベッドや医師が不足してしまい、正式な香港居住民である女性達の出産に支障が出ている。
先日も、香港居住民の妊婦がこういった状況改善のためにデモをしている様子をテレビで見た。

加えて、今年はその「黄金の豚年」ということもあり、中国本土からやってくる妊婦の数はさらに増えると思われる。

 

政府が遂に対策発表

そこで、香港政府は先日、本土からの妊婦の入国を制限する対策を発表した。

まず、香港特別区内では正規の香港IDカードを持つ妊婦の出産(に関する医療)が優先されること。そのうえで、受け入れに余裕がある場合のみ、医療機関が香港IDのない妊婦に対する出産の予約受け付けを許可する、というものだ。

2月1日から有効になるこの対策では、香港ID非所持者が出産のために入院を予約する費用が、以前は最低3万9千香港ドル(約60万3500円※)だったのを、4万8千香港ドル(約74万3000円※)まで引き上げた。
しかも支払いは、予約時に一括払いで行わなければならない。
※1HKD/15.5円で換算した場合

同じくテレビのニュースでこの問題について答えていた本土のある女性は、「それでも経済力があれば、香港で産みたい。何しろ医療がしっかりしてるし、子供が香港居住権を持てるのも魅力」と言っていた。
外車を乗り回す本土の富裕層なら、この程度の金額は問題なく払えるだろう。
実際、観光と偽って入境して出産するのではなく、正式に病院に予約を入れて出産している本土の妊婦は、高所得の会社経営者などの家族が多いという。

日本でも産科の人手不足は深刻らしい。
医師や看護師も不足しているうえ、産科自体をやめる総合病院も増えている。
出産前の検査まではできるが、出産には対応しない産科も多いため、自分の住むエリア以外の病院に出産の予約をせざるをえないケースが多いという記事を新聞で読んだ。
出産は時間を選ばないので医師にとって激務になる。また、出産後も出産時の処置が原因で子供に障害が残った、といった内容の訴訟が多いという理由で、産科医を目ざす人材が減っているそうだ。
少子化が問題になる一方で、出産は年々、難しくなっている。
香港政府の今回の対策も、行政区内の妊婦を保護するには避けて通れない対応だったのだろう。

 

香港では香港式でね

同時に香港人の本土人嫌いも見え隠れする。
本土人産婦の見舞いに本土から集団で訪れる親戚のマナーがひどい、とある香港人妊婦が先のテレビニュースで話していた。
時間もかまわず集団で押しかけてきて、夜遅くまで大声で話す、など、香港ディズニーランド開園時を思い出させる本土人VS香港人トピックである。
このような話を聞くと、純粋に医療設備の不足も深刻なのだろうが、「本土人はマナーがなってないから、香港にあんまり来て欲しくない・・・」という、おなじみの香港居住民感情も、この問題を大きくしているのかもしれない。

そんなおり、香港人の友人に赤ちゃんが生まれた。
「豚年の子供は繁栄を約束されてるんでしょ?」とメールしたら、「いや、旧正月前だから、子供は戌年生まれになるんだよ」と返事が来た。
日本人はすっかり亥年気分だが、旧暦を重んじる香港人にとって、西暦の1月はまだ戌年だったのだ・・・。

 

 

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参照 / Ref

東洋経済日報(1/19)
http://www.toyo-keizai.co.jp/sanzenri.html

香港政府プレスリリース ー 香港IDのない女性の本土からの入境と出産に関する対策
http://www.info.gov.hk/gia/general/200701/16/P200701160184.htm


 

Year of the Pig

According to Oriental Zodiac, 12 specific animals symbolize a year in turn.
In Japan, 2007 is the year of the boar.
But in some countries like Korea and China, this is the year of the Pig, and especially 2007 is the "year of the Golden Pig" with their ancient calendar.

A child born in the year of the Golden Pig is promised prosperity.
So, in countries adopting "Golden Pig Year", they expect a sort of a baby boom.

But in Hongkong, it may bring some worries.
These years, many women from Mainland China give birth in Hongkong.
Babies from such births can have residential IDs of HK, and it beckons more pregnant women from China.
Due to the situation, many HK pregnant women who have proper HK residential IDs suffer from shortage of local obstetric services.

Finally, in this January, HK government announced the new measure to restrict pregnant women's entries from China into HK.


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