*Page summary in English*

 

 

―はま子さん、長い間ありがとう―

 インドゾウのはま子が平成15年10月7日(火)午後3時35分、亡くなりました。59才でした。
 はま子は昭和26年4月17日に入園しました。以来、その生涯は、野毛山動物園とともにあり、子供たちの人気を集めてまいりました。
半世紀以上に渡り、横浜市民に愛され続けてきた存在として、平成13年11月には、市長感謝状が贈呈されました。
 ここ数年、高齢による衰えが目立ってきたものの、食欲等は旺盛であり最後まで来園者の皆様を楽しませておりました。人間にたとえると、恐らく80歳くらいの年齢であり、大往生でありました。
冥福を祈ります。

野毛山動物園ウェブサイト 2003年10月8日付より





野毛山動物園の人気者だったインド象のはま子さんが亡くなりました。

一昔前、横浜市内の小学生にとって遠足と言えば野毛山動物園でした。そして野毛山動物園と言えばはま子さん、と言っても過言ではないでしょう。

実際、園内のほとんどの動物たちにはそれぞれニックネームがあるのですが、私も具体的に名前を挙げられるのは「はま子さん」
だけなのです。それだけ「はま子さん」は人々に最も馴染み深い存在だったと言えるでしょう。


トイレ外壁のタイル画にも登場


はま子さんが亡くなる数ヶ月前、私は久しぶりに野毛山動物園に行きました。
その時、はま子さんは風邪を引いていて、ゾウ舎の中で休んでいました。
現在の野毛山動物園は4年をかけた改修工事がほとんど終了し、入口の場所も変わって、以前とはかなり印象が違っています。子供の頃から古い園内に慣れ親しんだ者にはちょっと違和感がありました。そんな中で訪れたはま子さんのゾウ舎は、数少ない思い出通りの懐かしい場所でした。





はま子さんとマリコ

今回はま子さんが亡くなったというニュースを知り、自分が持っている古いはま子さんの写真を探してみました。すると、ゾウが二頭写っている白黒写真がでてきたのです。今から20年も前のものです。そういえば、かつて野毛山にはゾウが二頭いたことを思い出しました。そして気がついた時はいつの間にか、はま子さんだけになっていたのです。

インターネット上の資料*によると、はま子さんと一緒に写っているのは「マリコ」、はま子さんが野毛山に来て6年後の昭和32年春にやってきた、当時生後1歳半の赤ちゃんゾウでした。その後、昭和62年11月に悪性腫瘍で31年の生涯を閉じるまで、はま子さんとは姉妹のように仲良く暮らしていたそうです。

 


昭和60年頃撮影

その後15年以上、はま子さんはひとりで過ごしていました。マリコの代わりに新しいゾウが来ることはほとんど期待できなかったはずです。何故なら、ちょうど時期が重なるように「よこはま動物園ズーラシア」設置計画が横浜市によって発表され、野毛山動物園自体が存続の危機を迎えていたからです。
その後、野毛山動物園を愛する市民の熱心な活動のおかげで、園は引き続き維持されることになりました。その代わり、といっては何ですが、随分と園内のレイアウトは変わってしまいました。広いスペースを必要とする多くの動物たちはズーラシアや他の動物園へ移住しました。確かにズーラシアに行くと、その広大な敷地に圧倒されます。ほとんど放し飼いといってもいいくらい、それぞれの動物に与えられたスペースが広いのです。動物の生態を考えれば、大型の動物たちが野毛山を出ていくのは仕方がないことかもしれません。

*このページをアップロードした時点では、野毛山動物園の飼育担当職員の方が書かれた本からの抜粋がインターネット上にあったのですが、2003年12月21日現在、ページが削除されてしまっているためリンクできなくなりました。ちなみに参考文献はこちらです。:小林強志著「野毛山ZOOっといい話」かなしん出版


 

ゾウ舎番号札の謎

この写真は私が最後にはま子さんを見たときに撮ったゾウ舎の写真です。はま子さんが運動場に出ていなかったので、ゾウ舎の屋根だけをとりました。小さくてよくわからないと思いますが、壁の真ん中に「28」という丸い番号札がついています。これは私にとって、小さな謎です。

私が持っている昭和44年の「野毛山動物園案内図」ではゾウ舎は「25」となっています。つまりはま子さんのゾウ舎はその後、移動したか、立て替えられたか、それとも番号札だけ後から付け替えらた可能性があります。(最新の案内図ではゾウ舎は「4」ですが、これは檻や舎についた番号と対応していません。)
昭和40年と最新版、2枚の案内図はどちらもデザイン化され、かなりデフォルメされているので地図としての正確さには欠けるのですが、それでもなんとか見比べてみると、ゾウ舎の位置が違っているような気がします。
この謎の解明は個人的な今後の課題です。

 



これから

はま子さんが亡くなった今、ゾウ舎はどうなるのでしょう。

はま子さんの存在は子供時代に野毛山動物園を訪れた人々にはかけがえのない特別なものであり、他の動物園に行って別のゾウを見れば済むというものではありません。

現在園内にある「しろくまの家」のように、主がいなくなった後も、建物を壊さずに残してくれるとよいのですが。

今後も静かに野毛山動物園を見守っていきたいと思います。

2003-10-15-uploaded


ごみばこにもインド象のシルエットが

 



(C)2003 Oystergate

 

※ゾウ舎解体など、少しずつ状況は変わっています。
新しい情報は下記の「ログ」か、動物園の公式サイトをご参照ください。

>>>「野毛山動物園の記憶と記録」サイトへ